1967年の原作小説の発表以来、半世紀近くにわたり多くの人々を魅了してきた「時をかける少女」。原作者・筒井康隆氏自らの「ダイナミックに過去へ時をかけてみれば?」というアイデアと、「原作発表当時の感動を今の世代にも伝えたい!」という製作陣の想いが実を結び、2010年の少女の物語として生まれ変わった。
1983年の大林宣彦監督版のヒロイン・原田知世を始め、幾度となく時代を代表する女優が演じてきた「時をかける少女」。今回のヒロイン・芳山あかりに抜擢されたのは、大ヒット作『サマーウォーズ』を手掛けた細田守が監督したアニメ版『時をかける少女』で主人公を演じた若手実力派女優・仲 里依紗。2010年を生きる“時をかける少女”を熱演している。そして、タイム・リープしたあかりと出会う70年代の青年・涼太を演じるのは、『ROOKIES-卒業-』の好演で注目を浴びた中尾明慶。また、安田成美(『歓喜の歌』)が薬学者である母・和子を演じている。物語のキーパーソンである深町一夫には、絶大な人気を誇る元劇団四季の看板俳優・石丸幹二が映画初出演を果たしているほか、勝村政信(『HERO』)、青木崇高(『おっぱいバレー』)、石橋杏奈(『色即ぜねれいしょん』)など、個性派たちが集結し、新たな実写版『時をかける少女』を彩っている。監督はこれまで根岸吉太郎、井筒和幸、滝田洋二郎など名だたる監督のもとで腕を磨き、本作が待望の長編デビューとなる谷口正晃。これまでの「時をかける少女」ファンの心をときめかせ、原作を知らない世代の心をせつない感動に包みこむような作品に創り上げている。
高校卒業を目前に控えた芳山あかりは、母・和子が薬学者として勤める大学にも無事合格し、新たな生活に胸を弾ませていた。ところが、和子が交通事故に遭い、事態は一転。「過去に戻って、深町一夫に会わなくては…」と必死に訴えながら昏睡状態に陥った母の願いを叶えるため、和子が開発した薬を使って1972年4月にタイム・リープすることを決心する。
時空を飛び越えたあかりは、過去の世界に到着。しかし、なんとそこは1974年2月。間違えて行くべき場所から2年も経った時代に飛んでしまったあかりだったが、偶然出会った映画監督志望の大学生・涼太とともに深町一夫探しを始める。
四畳半一間のアパートに同居し、涼太の映画製作を手伝ううちに、やがてあかりは涼太に恋心を抱き始めるが・・・。
NHK「少年ドラマシリーズ」枠にて、全5回放送。芳山和子を演じたのは、後に浅野真弓として人気を博した島田淳子。同年、視聴者からの熱烈な要望に応える形でオリジナル作品「続タイムトラベラー」も放送。行方不明になった、27世紀の科学者を捜すケン・ソゴルが芳山和子と再会するという、新たな物語が描かれた。
『転校生』の大林宣彦監督による、“尾道三部作”の2作目として公開(3作目は『さびしんぼう』)。芳山和子を映画初主演の原田知世が演じ、大ブレイク。彼女自ら歌った同名主題歌も大ヒットするなど、80年代を代表する青春映画として、後世に語り継がれている。
フジテレビ系「月曜ドラマランド」枠にて、単発放送。芳山和子を演じたのは、直後に「スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説」でブレイクする南野陽子。深町一夫役を、映画『ねらわれた学園』にも出演していたミュージシャン、中川勝彦(中川翔子の父)が演じている。
フジテレビ系「ボクたちのドラマシリーズ」枠にて、全5回放送。芳山和子を演じたのは、ドラマ初主演となる内田有紀 。原作者・筒井康隆が住職役、安室奈美恵が和子の妹役で出演するほか、脚本を「踊る大捜査線」の君塚良一、演出を『シャッター』でハリウッドデビューを果たした落合正幸が担当した。
83年の大林監督版を製作した、角川春樹が自ら監督。芳山和子役には、新人の中本奈奈が抜擢。原作が発表された昭和40年代の雰囲気を出すため、全編モノクロで撮影し、ナレーションを原田知世が務めた。また、松任谷由実が「時をかける少女」の歌詞を一部変え、異なる曲を付けた「時のカンツォーネ」と「夢の中で」の2曲の主題歌を提供している。
06 年を舞台に、芳山和子の姪・紺野真琴を主人公にした長編アニメーション。キャラクターデザインを、「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当。監督は『劇場版デジモンアドベンチャー』などで注目されていた細田守。真琴役はオーディションにより、仲里依紗が抜擢された。第30回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を筆頭に、国内外で多くの映画賞に輝いた。
TBS 系「モーニング娘。新春! LOVE ストーリーズ」内、オムニバスの一編として、単発放送。芳山和子を当時、モーニング娘。の中心的メンバーだった安倍なつみが演じ、和子の妹役を同じくメンバーだった加護亜依が演じた。